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「それで、その後に全員に惚れ薬ぶっかけて飛鳥ちゃんに任せちゃいました♪」
「………………」
オノハラは絶句した。
そして、いくらなんでもやりすぎだろうと思った。
「だから、その後のことは知りません!」
最も恐ろしい選択をした彼女は、晴れやかな笑みを浮かべた。
「あの時はとても幸せだったよ…………ハーレムだった…………」
狂子の横で飛鳥が夢心地で呟く。
「私はその後、見落としがないか1人で調査してました。飛鳥ちゃんは?」
狂子が飛鳥に尋ねる。
飛鳥は満面の笑みで口を開いた。
「僕は……」
「いや、いい!飛鳥はいい!もう十分分かった!!」
その後の言葉を聞くのが怖くて、オノハラは慌てて飛鳥の話を止めた。
飛鳥は少し残念そうな顔をし、狂子は面白そうに笑った。
「…………状況はよぉく分かった。嫌になるほど分かった。奴らがああなるわけだ……」
オノハラはため息をつく。
ひどく怯えていた様子を思い出し、ありありと想像できる2人の様子を浮かべ、思わず同情してしまった。
「全く……気持ちは少し分かるが、お前たちはやりすぎだ。反省しろ」
「はーい」
「はい、しかし僕はこの美しさをガハッ」
狂子が笑顔のまま飛鳥の顔面に裏拳を入れた。
飛鳥は顔を押え、痛みに悶える。
自慢の顔に攻撃されたり、傷つけられるとキレる飛鳥であるが、何故か狂子に対しては何もしない。
そんなよく見る光景を改めて不思議に思いながらも、オノハラは話を続けようと心掛ける。
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