1.不知火狂子の暴走

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「それで、その後に全員に惚れ薬ぶっかけて飛鳥ちゃんに任せちゃいました♪」 「………………」 オノハラは絶句した。 そして、いくらなんでもやりすぎだろうと思った。 「だから、その後のことは知りません!」 最も恐ろしい選択をした彼女は、晴れやかな笑みを浮かべた。 「あの時はとても幸せだったよ…………ハーレムだった…………」 狂子の横で飛鳥が夢心地で呟く。 「私はその後、見落としがないか1人で調査してました。飛鳥ちゃんは?」 狂子が飛鳥に尋ねる。 飛鳥は満面の笑みで口を開いた。 「僕は……」 「いや、いい!飛鳥はいい!もう十分分かった!!」 その後の言葉を聞くのが怖くて、オノハラは慌てて飛鳥の話を止めた。 飛鳥は少し残念そうな顔をし、狂子は面白そうに笑った。 「…………状況はよぉく分かった。嫌になるほど分かった。奴らがああなるわけだ……」 オノハラはため息をつく。 ひどく怯えていた様子を思い出し、ありありと想像できる2人の様子を浮かべ、思わず同情してしまった。 「全く……気持ちは少し分かるが、お前たちはやりすぎだ。反省しろ」 「はーい」 「はい、しかし僕はこの美しさをガハッ」 狂子が笑顔のまま飛鳥の顔面に裏拳を入れた。 飛鳥は顔を押え、痛みに悶える。 自慢の顔に攻撃されたり、傷つけられるとキレる飛鳥であるが、何故か狂子に対しては何もしない。 そんなよく見る光景を改めて不思議に思いながらも、オノハラは話を続けようと心掛ける。
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