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「事情が分かったところで、本題に入ろう……お前たちには罰として仕事を与える」
「えー」
「えーじゃない!」
不満の声をあげる狂子の横で、痛みから立ち直った飛鳥がキラキラとした瞳で言った。
「もしかして、彼らの尋問ですか?」
すると、狂子も即座に顔を輝かせる。
「あっ、やるやるー♪新薬試したいです!」
「それじゃあ拷問だろうが!それにお前たちを見たら奴らは発狂して余計話さないからな!」
そんな光景をいとも簡単に想像でき、オノハラはゾッとした。
「ちぇー」
狂子が残念そうな声を出し、口をとがらせる。
飛鳥も見るからにがっかりしていた。
そんな2人を無視して、オノハラは話を続ける。
「2人にはヤマシタの仕事を手伝ってもらう」
その言葉に、2人は即座に反応した。
「准尉のお手伝いします!」
「ぜひとも!!」
ヤマシタ准尉はオノハラの養子であり、この憲兵隊の世話役である。
帝都大学の学生、性別不詳、背中に龍を飼う(刺青)ヤマシタは整った容姿と優秀な仕事ぶり、そして優しく後輩たちを指導する姿から憲兵隊の中での人気がとても高い。
この2人も例にももれず、准尉のファンだったりする。
…………何かと困らせてはいるが。「それで内容は何ですか?」
「あいつは今中等部の隊員を指導してるんだが、その中にちょっと問題のある子がいるらしい」
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