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「ヤマシタか」
「先生、何かあったんですか?顔が死んでますよ?」
中性的な美しい顔でサラリと毒を吐く。
「いや、ちょっとな……飛鳥と狂子を相手にしたら無駄に消耗してしまった」
いやぁ、心配してくれるなんて優しいなぁ……とヤマシタの言葉を脳内変換し、内心喜びながらオノハラは答えた。
ヤマシタは部屋に入ってくると、書類をオノハラのデスクに置いた。
「あの2人は一緒になるとその凄さが倍増しますからね。被害を被るのはごめんですが、見ていて楽しくはありますね」
何かを思い出しているのか、楽しそうな笑みを浮かべる。
「その2人をお前の手伝いにやるから」
刹那、ヤマシタの笑顔が凍りついた。
「えっ?」
一拍遅れて聞き返す。
「手伝い欲しいって言ってたろ?」
「言いましたけど……」
難しい顔をしているヤマシタに、オノハラは励ますように微笑みかける。
先程と立場が逆転している。
「大丈夫だろ、あいつらはたまに何かやらかすが、成果はちゃんと出すからな」
「そうですけど……はぁ……。何かあっても知りませんよ。全く……」
ヤマシタは不安を抱きながらも、しぶしぶ受け入れるのだった。
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