1.不知火狂子の暴走

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「それとも、僕に愛の告白を――」 「あれぇ?任務は一昨日終わったばかりですよ。早くないですか?」 飛鳥の言葉を(故意に)遮って発言したのは、飛鳥の横に立っていた白衣の少女、不知火狂子である。 撫子色のウェーブがかった髪、好奇心の強そうな瞳、長いまつげ、豊満なスタイル。 狂子は華やかな容姿と色気を持つ美少女である。 しかし、その実態は、大の悪戯好きの天才科学者。 その知識と技術は分野を問わず、「狂子製薬」という詳細不明の会社(?)を名乗って、日々隊員を不思議な薬で困らせては楽しんでいる。 まさに才能の無駄遣い。 飛鳥に負けず劣らずクセが強い少女、狂子はオノハラを見つめる。 「……新しい任務じゃない。その終わったばかりの任務についての話だ」 そんなクセの強い2人を目の前にして、オノハラはどうしようかと必死に考えていた。 一方、そんな彼の様子に気づいているのかいないのか、2人はオノハラの言葉に首をかしげる。 「何か怒られるようなことしたっけ?飛鳥ちゃん」 「いや、皆目見当がつかないよ、狂子くん」 呑気に会話する2人に、心が折れそうになりながら、オノハラは話を続ける。 「狂子、飛鳥。お前たちが先日の任務で何をやったかよく思い出せ」 「……何かしたっけ?飛鳥ちゃん」 「いや、いつも通りだった気がするが」 先程と同じような会話をする2人に、オノハラは微笑んだ。
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