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そんな視線をものともせず、飛鳥は微笑む。
「きっと、僕の美しさに参ってしまったんだろうね。僕は何て罪深い男なんだろうか……」
「ひゃははっ♪飛鳥ちゃん面白いやっ」
「…………」
ここでようやく、オノハラは2人を一緒に呼ぶべきではなかったと後悔した。
しかし、後悔していても先には進まない。
「…………とりあえず、あの時の状況を詳しく説明してくれ」
「……えっと……まず、アジトを見つけてこっそり乗り込んで……下っ端らしき奴を捕まえました」
先に話出したのは狂子。
「嗚呼、あの人はとても好みだった……可愛らしい人でした」
うっとりとした表情をする飛鳥。
「…………誘惑したのか」
オノハラがそれを見て恐る恐る尋ねる。
それにしても、変な質問である。
「流石先生!その通り♪」
狂子がぱちぱちと拍手をしながら、とても楽しそうに言った。
当たってほしくない予想が当たり、オノハラは何とも言えない表情をする。
そんなオノハラをよそに、飛鳥は話を続ける。
「彼は思っていたよりウブなようでした。僕が愛を囁くと照れてしまったようです。思わず僕の顔を傷つけてしまったんですよ。嗚呼、顔を傷つけたのは許せませんが、そんな意外性も可愛らしくて。そしてそんな風に人を狂わす僕の美しさはやはり……」
その可愛らしい男(※敵)の魅力と自分の美しさについて語りだした飛鳥を、オノハラは慌てて止める。
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