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「そいつのことはいいから進めてくれ」
「これからいい所なのですが……まぁ、いいでしょう。いくら好みでも僕の顔を傷つけた罪は重いです。僕が罰を与えようとした時…………」
そこで少し黙り、飛鳥は狂子を見た。
「狂子くんが……」
飛鳥が言葉を濁す。
しかし、そこから先は聞かなくても分かる。
嗚呼、やっぱりな。
オノハラは話を聞きながらそう思っていた。
自分の仲間が傷つけられることを最も嫌う狂子は、傷つけた敵には一切容赦しない。
そのことはオノハラも十分知っており、その度に人が変わったようになるのを幾度も見てきた。
そんな狂子が、飛鳥が傷つけられるのを見て何もしないわけがないだろう。
納得するオノハラは狂子に尋ねる。
「それで、お前はそれから何をしたんだ?」
狂子は笑顔のまま答える。
「そいつをちょこーっと脅して、ありったけの証拠を提出させました!」
「ちょこっとじゃないだろ、絶対」
オノハラは思わず狂子にツッコんだ。
だが狂子はそれを無視する。
「そいつが証拠漁る途中に全員見つけたのでとっつかまえてー……外に出して整列・正座させて、アジトを目の前で爆破させてー……あっ、爆破したのは悪い研究できないようにするっていう目的があったんですよ?見てみたんですが、結構危ない研究してましたよ」
絶対それが主な理由ではなく、怒りが収まらなかったから爆破したのだ……とオノハラは思ったが口にしなかった。
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