阪神大震災

2/5
87人が本棚に入れています
本棚に追加
/31ページ
私は小さくてそこまではっきりとは覚えていない。 だけどはっきり覚えているのは子供部屋のタンスを必死で抑え、私達に向かって逃げろという父親の顔だ。 激しく揺れる中、その時の父の顔ははっきりと私達に危機を知らせた。 そこから家族と外に出て避難所に母と兄弟と向かったらしいが私は覚えていない。 ただ怖くて怖くて泣いていた。 気付くと兄が通う中学校の体育館で眠っていた。 目が覚めても、何がなんだかわからなかった。 沢山の人がいて 真っ暗で 起きてすぐ ただ怖くて泣いていた。 母の顔は不安に満ちて 兄や姉はお互いに大丈夫大丈夫と言い合っていた。 何度も揺れる余震。 響き渡る悲鳴や泣き声。 父が被害の少なかった自宅から服や食べ物を持ってきた。 母は安堵して父と抱き合っていたのを覚えている。 その後はもう何がなんだか。。 外に出たらそこかしこにいる怪我をした人達。 私は怖くて怖くて仕方がなかったが友達が元気に体育館にいて気丈に振る舞ったのを覚えている。 自分も何かしなきゃと 兄と一緒に水を貰いに言ったとき起きた事件。 今でも忘れない。
/31ページ

最初のコメントを投稿しよう!