ゆかいななかま

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『うぅ…重い。重すぎる。これほど重力が憎いと思ったことはないわっ』 『どこかに使えそうな奴は…あ、あれは!』 『すみませーん』 「……………」 『すみませーん!』 「……………」 『シカトは許さないわよ狼』 「…いやだってほらおかしくないですか?」 『何がよ』 「悪役の僕に話しかける時点でもう物語的に…」 『悪役?ていうか物語って何よ』 「そこらへんは触れないでいただきたい」 『え?どうでもいいけどこの荷物運ぶの手伝ってよ』 「嫌です」 『さぁ行くわよ!』 「お断りします」 『そんなこと言わないでさー』 「結構です」 『手伝ってくれたらご褒美あげるからさー』 「ご褒美?」 『そうご褒美!世界の名廃墟100選!お母さんの趣味のど真ん…』 「やめときます」 『やっぱりね!言う前から薄々感づいてたわよ!』 「では僕は忙しいので…」 『ちょっと待ったー!』 「まだ何かあるんですか?」 『じゃあ手伝ってくれたら私の宝物をあげるわっ!』 「ほう…宝物ですか」 『気になる?』 「いえ全く」 『即答!?まぁいいわっ…聞いて驚きなさい!もし手伝ってくれるのなら私が大切に育てた盆栽をあなたにプレゼントするわっ!』 「……………」 『ふっ驚いて声も出な…』 「手伝ってあげてもいいですよ」 『やっぱりね!薄々感づいて………え!?い、いいの!?』 「はい」 『ここは「ではこれで」みたいなテンションで立ち去るパターンじゃないの!?』 「そんなお約束をぶち壊すのが僕の役目だと思ってますから」 『常識あるやつだと思ってたのにあんたなかなかの変わり者ね』 「急用ができたので僕はこれで…」 『嘘!嘘です!常識人の中の常識人だよね!わかってます、わかってますともよ!』 「僕人じゃなくて狼ですけどね」 『めんどくさいなもう!』
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