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…今日はどうやら、本当に厄日らしい。
あのドSの姉に逆らおうものなら、それこそ命が幾つあっても足りたもんじゃない。
そそくさと自分の部屋に逃げ帰る。
今晩は溜め込んであったお菓子で凌ぐこととしよう。
着替えを済ませ、暫く使うことのないであろう学校の制服を、手際よくクローゼットへと仕舞う。
…そしてベッドに腰掛け、恐る恐るギプスを解いていく。
医師には取り敢えず2週間ほどつけているよう言われたギプス。
運動を控え、微熱が出るかもしれないと注意も受けた。
その説明の合間に提示されたレントゲン写真も自分でも確認した。
確かに腕の骨は折れていたのだ。
なのに今は、何事もなかったかのように、自由に腕が動かせる。
どこにも傷一つ確認できない。
まだ多少の痛みは残っているものの、ついさっきまで骨が折れていたとは思えない。
…一体あの女の子は何者だったのだろうか。
どうやら本当に、傷や怪我を瞬時に治してしまう力があるらしいが。
見た限りでは人間だった。そしてパジャマ姿であったことから、近くの病院の入院患者であることは見当がつく。
だが彼女自身、どこか身体が悪そうには見えなかった。
極めつけには気配もなく現れ、そこから空間を飛んだように消える芸当も見せた。
信じられないが…彼女は幽霊か何かだったのだろうか?
恐らくあの病院のどこかの部屋で亡くなった患者で、
俺は何かの縁で彼女から施しを受けたとでもいうのか…?
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