■02:砂浜の彼女

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考えても正体は分からない。 ただ今日あった事のうち、それについては運が良かったということだ。 いずれにせよこれで明日からの冬休みを有意義に過ごせるようになれた訳だし。 彼女には感謝しなければならない。 さっさと風呂に入って寝ることにするか。 気持ちを切り替え、着替えの準備をする。 …感謝、か。 怪我の治った俺は、もうあいつには会えないのだろうか。 お礼ぐらい言っておけば良かった。 ………………。 次の日の朝。 いつもより遅く起きた俺は、家を出る直前だった姉に声をかけられる。 「瞬、あんた今日は実技試験なんでしょ?」 「え、うん」 「頑張りなさいよ。最後に気を抜くと失敗するんだから」 「姉ちゃんもね」 「私は学校に行ってくるだけよ。良いわね、あんたは休みで。 あそうそう、今日は帰りが遅くなるから、夜は自分で適当なもの買って食べといて」 「どっか行くの?」 「友達の集まりでクリスマス会よ。あとこの前の大学祭の打ち上げも兼ねてね」 「ふーん」 「…じゃ」 それだけ言って、美里姉は出掛けていった。 「さて、俺も準備するかな…」
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