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ザザ…、
別に、そこに用があったわけではない。
病院のすぐ傍にある、名もない砂浜。
沈みかけた夕陽に、絶え間なく繰り返す潮騒。
足跡一つない、隠れた場所。
ただ、ここに居れば何となくこの暗い気分が少しはマシになるような…そんな気がした。
どれほどの時間そうしていただろう。
やがて陽は紅く染まり、この町と同じ名の¨夕暮¨の景色を醸し出す。
それから時間が経つのは早い。
そう思った頃には、もう一番星が天で輝く程暗くなり始めた。
流石に、この状態で夜道を歩くのは危険だ。
そう思って、腰掛けていた砂浜から立ち上がろうとした時…、
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