■01:プロローグ

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「…誰かいるのか?」 いつの間にか前方に現れていた人影。 逆光に目が慣れてくると、徐々にその正体を把握するに至る。 「誰だ、君?」 その影の正体は…小さな女の子だった。 パジャマ姿でそこに立つ彼女。 オレンジ色の、少し派手なチェックの柄模様。 病院の患者だろうか? 俺の問いには答えようとしない。 ただ何をするでもなく、暫くこちらを観察していた。 「あなた、怪我してるの?」 「あ…ああ。腕をちょっと骨折しただけさ。大丈夫だ」 声が掛けられる。しきりに俺の腕を気にしていた。 「それは痛いの? 苦しいの?」 「ん? …まあ痛いし、それに明日は大事な用があったけど、…はは、これじゃあ行けねえけどな」 「分かった。治してあげる。じっとしてて…」 「え?」 彼女は音もなく、フッと傍に体を寄せてきたかと思うと、俺の腕にギプスの上から手を添えてくる。 …すると次の瞬間、腕を包むような淡く温かな白い光が目の前に広がった。 「なんだ…こりゃ?」 どういうわけか、彼女本人のてのひらから発光している。 何も光源となるものは物は持っていない。 一体何が起きているのか…? 10秒程だった。 俺にはただただ不思議でたまらない光景だった。 「…はい。終わり」
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