■02:砂浜の彼女

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「昼間、香帆から連絡があったわよ。あんた学校から帰る途中に怪我して、車で病院まで送ってもらったんだって?」 「ん、まあ」 「その腕…やっぱり折れてたの?」 固定されたギプスを見ての問い。 「仰るとおり」 「あー、もうドジねぇ瞬。転んだだけでそんなふうになる普通? 大体いつも道歩くとき、キョロキョロしてるからいけないのよ。 好奇心旺盛だか知らないけれど、その性格は直すべきね。 じゃないとあんたなら空からF-22が降ってきても気付かないわ」 「戦闘機なんか滅多に降ってこないと思うけど…」 「つべこべ言わずにさっさとテーブルに着きなさい。 今日は私が食べさせてあげるから」 「…いや、自分で食べるよ」 「はあ? その腕でどうやって? あんた左利きだっけ?」 「いや違うけど。っていうか俺が左手で箸持って食べてるの見たことないだろ姉ちゃん」 「じゃあ何で拒否すんのよ? もしかして食べさせてもらうのが恥ずかしいの? なによ…私もこんな事したくないわよ。 なのにわざわざ食べさせてあげるって言ってんのに、私の親切を無視する気? 返答次第ではぶっとばす」 「いや…違、そうじゃなくて…」
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