■02:砂浜の彼女

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今日1日の経緯をざっと説明する。 病院で骨折だと診断されたあとギプスを巻いてもらい、そのまま真っ直ぐ家に向かわず砂浜で日が暮れるまでぼーっとし、 気がついたらいつの間にかそこに女の子がいて、その子に腕を治してもらった、と。 「…ぶっとばす」 「待て待て待て、本当なんだって。ふざけてないって」 「顔がふざけてる」 「何その酷い言われよう?!」 「そんなどっかのファンタジー漫画みたいな話、信じるわけないでしょ。 あんたマジで頭もうったんじゃない? 実際骨折してるんでしょ? さっさと家に帰って大人しくしてないほうも異常よ」 「本当だって。本当なんだって」 言いながら目の前で腕を上げ下げして見せる。 「………………」 「ほら?」 「あんた……人を心配させといて、何ちゅう嘘をついてるのかしら…?」 「あ、いや…だから、折れたのも本当で、嘘なんかじゃ…」 「夕飯抜きじゃごらぁぁぁぁぁ!!!!」
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