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興味が湧いて梨桜が実行したこと。その行動の結果から得たものは、群がる『友人』という名の『赤の他人』だけだった。
友人とは名ばかり。梨桜は、輪の中心になりながら、分かった事が有る。
人間は『孤独』を拒絶し、ハブられない為、仲間外れにされない為。周りに合わせて、自分を抑えて。抑えて。抑えて。
本当に心を許せる他人なんて、一握りも無くて。
そんなことに気付いた瞬間、梨桜は虚無感に苛まれた。
『友人は嗜好品の一種だ』と、何かの本で読んだ気がする。梨桜は、その通りだと思った。
居なくても困らないし、居れば孤立感には苛まれない。しかし、梨桜は一人でも孤立感は湧かないし、周りには沢山の人間が居る。
梨桜は他人との距離を置く様に、一線を引く様に、決して恋人を作らなかった。
容姿に群がる女は居て、容姿的に好みと呼べる女も居たが、それでも恋人を作らなかった。
理由は興味が湧かなかったから。
そんな一線を引くような心境の理由は、『気付いてしまったから』だ。努力の結果得たものが、『赤の他人』だけだと。
そして梨桜の興味が、生からも離れた。
人間は口で、『死にたい』と言っていても、心の何処かで必ず『死にたくない』と叫んでる。
自殺志願者でさえも、当然の様に心の何処かで叫んでる。
しかし梨桜は、ただ平然と、上辺でも、心の中も。本心で、たった一言、呟いた。
『そうだ、死のう』
そう考えたのは朝。歯を磨いている途中。
まるで、歯を磨く等の日常的に行うことを忘れていたかのように、確認するように。梨桜は平然と呟いた。
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