98人が本棚に入れています
本棚に追加
「そんなことないと思いますけど。 このお風呂だって、アオイちゃんを喜ばせるために準備してたんじゃないですか?」
「そ、そんなわけなかろう。 きっとリベリが一緒だからだ…」
「素直じゃないですねー」
「な、なにがだ…」
顔を赤くして空気をプクプクと吐き出すアオイを見つめるリベリには笑みがこぼれ、それに気付いたアオイも顔を横に向けて目を合わせないようにする。
「でも…、本当にセロさんは優しいですね。 私、男の人とまともに会話したことなかったので、何だか不思議な気持ちですっ」
「まだその話を続けるのか…。 私はそろそろ上がるぞ」
そう言って湯船から乗り出してタオルをしぼり、濡れた身体を拭き始めたアオイに、リベリが真顔で話を続けた。
「たぶんですけど……、私はセロさんを好きになってしまってます。 恋愛的な意味なのかは全然わかりませんけど…。
これからも私はセロさんと仲良くなりますからっ」
「………当たり前だ。 これから共に戦ってゆくというのに喧嘩ばかりでは意味がないであろう」
風呂から上がりつつ言い放った一言は自分の中にも響き渡り、胸の辺りをギュゥッと締め付けた…。
最初のコメントを投稿しよう!