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無人駅といい廃商店街といい謎のアーチといい、もしかするとこれは『どっきり企画』なのではないだろうか、と義隆は一瞬の現実逃避。
しかし、親類を失ったばかりの哀れな一般人にここまで大掛かりなものを仕掛けるだろうか。
答えは『否』である。
そんな思考回路を知ってか知らずか、彼女は更なる爆弾を、大福のようにふっくらとした口から投下した。
「わたくし、『すずの荘』の女中をしている絡操(からくり)人形、撫子(なでしこ)と申します」
――からくりにんぎょうだって?
馬鹿な、と撫子の身体を凝視する。
桃色の着物に白い手袋と足袋を履いているため、見極める事が出来なかった。
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