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タヌキのように垂れ下がった一重に、肩まで伸びたワンレンセミロングがあごひげと良く似合う。
ロングティーシャツにトレーナーというラフすぎる格好である。
「はい。笠間と言います」
礼儀正しく頭を下げる義隆に、男性は片手を上げて応えた。
「俺は寛太、よろしく」
人懐こい笑い方をする人だな、と義隆は目を細める。
叔母もそうだった。
その笑顔でどんな相手の懐にも無遠慮に潜りこむような。
思い出に耽っている義隆をよそに、寛太は人差し指をぴこりと頬にあて、華麗なまでのウインクをかました。
「ここに寄生し始めて五年目の二十八歳男児です!」
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