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義隆には『しっかりしている』という言葉は理解出来なかったが、取りあえず、笑って佳代を見上げた。
「大丈夫みたいですよ。撫子さんは相変わらずの通常運転でしたし」
「そう、なら良かったわ」
安心したのか、佳代と宗司は階段を下る。
義隆の隣まで来たところで、佳代がまた義隆に声をかけた。
「これから縁側でひなたぼっこでもしようと思ってるのだけど、義隆くんもどう?」
おっとりとした口調に誘われると、どうしても否定する事が出来なくなる。
もとより否定する理由も無かったので、義隆は一も二もなく了承した。
今の義隆には『何も考えない時間』というものが、何よりも得がたい癒しだったから。
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