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電車から降りた場所はアナウンス音すら響かぬ無人駅。
不安に駆られた義隆は、パソコンでプリントアウトした用紙をぐしゃりと握り締めた。
叔母から入社祝いに買ってもらったばかりの、ビジネス用の大きなキャリーバックを手に途方に暮れた。
ベンチひとつない閑散としたホームには人影がなく、走り去る電車の走行音が、妙に近く感じる。
取りあえずコーヒーでも飲んで落ち着こうと自動販売機へ近づくが、「タピオカミルク」と「みかんゼリー」、そして不自然なまでに黄色いパッケージの「飲むプディング」以外は全て売り切れだった。
――何で残っているのがよりにもよってこの三つなんだ!
せめてカフェオレが残っていれば、妥協ができたものだが。
これでは何も飲まぬ方がマシである。
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