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ため息
世の中にはいくつもの恋の形がある。
それは、僕たちにはどうすることもできない世の中の真理であり、決して曲げることのできない事実でもある。
誰かが誰かに恋をする瞬間など、どれ一つとして同じものなど存在するはずもないのだし、その内に秘められた思いもまた、同じものなど存在しえない。
誰かと誰かが偶然にも同じ人を好きになったとしても、そこに存在する感情や考え方は決して同じではないだろう。
だからこそ、同じ恋と名のつくものであっても、それは楽しいものばかりではなく、辛いものや苦しいものも存在する。
恋をするのであれば、楽しい恋の方がいい、誰だってそう思うに違いない。
それは、僕にしてみたところで同じことだ。
楽しく心弾むような恋がしたいと、僕も心の底から願っている。
だけど、どうしてなのだろうか。
僕の恋は、いつも辛くて苦しいものばかりだ。
この人を好きにならなければ、こんなに苦しむことなどなかっただろうにと、何度思ったことかわからない。
恋をすることに怯えていた時期すらある。
それでも恋愛感情はどこからともなく僕の前に現れて、僕の心を擽り、僕を恋へと導いてゆき、結果として僕を苦しめるのだ。
そして、僕はいま、恋をしている。
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