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時「…ご、ごめ…。」
咄嗟に、躯を起こして空から離れる。
そのまま、立ち上がろうとするも
──グイッ
…!?
伸びてきた手が、俺の手を掴んで引っ張り
その際、俺の躯は反転し、背を向けた形で空の腕に収まった。
時「…そ、空…、あの…っ。」
動揺し、上擦った声を出すと
空「! ハハッ。何て声、出すんだよ?」
空は笑い、面白がっている様子。
だが
だからといって、悪戯をしたり、からかう事はない。
空「フフッ。よしよし。」
笑いながらも、穏やかな声でそう言い
優しく頭を撫でてくれ、落ち着かせてくれる空。
時「……。」
空のお陰で、心が落ち着いて無意識に入っていた躯の力が抜けた。
空「落ち着いたか?」
時「…うん。」
お陰で、過敏に反応したり、構えずに居られるよ。
空「そうか。じゃ、こうしても大丈夫だよな?」
俺の頭を撫で、空はそう言いながら
──ギュッ
…!
空の腕が腰に回り、そのまま抱き締められる。
でも、落ち着いた今では、動揺する事はなく
腰に回る腕に手を添えるだけの余裕が出来ていた。
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