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レオナルド・ヴァレンスは、呪われた城と称される城壁を見上げている。
聖国イグロリアのサッズ山脈の巓に位置する城である。
「レオ、どうやら呪われた城ってのもあながち嘘じゃないみたいだな」
レオナルドの隣にいる青年が嘆息した。
青年はよく磨き上げられた鎧を纏っている。
――が、レオナルドの鎧とは全く違う物である。
レオナルドの鎧には獅子勲爵士団の紋章が胸元に刻まれている。
それは二人の位の差を明確に示すものであった。
「この城に黒魔女が……」
レオナルドは険しい面をして、呟いた。
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