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朝になり、私は何かに呼び寄せられるように歩き出す。
しばらく歩き続けると、一つの踏切を見つけた。
その瞬間、私の目の前で映像が展開される。
それは、何かの建物だった。その建物の煙突から黒煙が立ちのぼり、その煙に向かって笑いながら手を振る一人の少女の姿。目には大粒の涙がたまっていた。
私は煙を見て咄嗟にこう思った。
あれは君だ。
気が付くと私は嗚咽を漏らしながらしゃがみこんでいた。
そうだ、私はあの日から君を探して迷子になったんだ。
今にも壊れてしまいそうな私の心の奥底から一つの気持ちが湧き出る。
君のもとへ行きたい。
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