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正直なところを言えば、黒斗のお財布事情は現在、かなり厳しい。
さらに追い討ちをかけるかのように父親の死という大問題が発生したため、今後の生活費の振り込みがはたして充分にあるのかどうかさえ解らない。
そんな状況で真白を居候させることに不安があったのだが、なんとか危機は回避できたようだ。
必要な連絡事項を終えたため、シーナに携帯電話を返却すると、彼女はまたベランダへと向かった。
「真白がどうとか言っていたな」
と、伊集院はタイミングを見計らって質問してくる。
きょとんとした表情の真白も、どうやら興味津々な様子で首を縦に振っていた。
隠す必要もないため、軽くカグラから連絡事項を説明する。
「なんか…真白には身寄りがないから、うちで居候させることになったみたいです。
んで、真白の生活費とかは聖女騎士団が俺の銀行口座に振込みしてくれるとかで、助かるなーって」
「なにからなにまで、いろいろと、ごめいわくをおかけします」
真白が本当に申し訳なさそうに頭を下げたため、慌てて黒斗は頭を上げさせる。
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