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「あ、謝る必要はないって!つーかほら、あれだ!そういう資金面の問題なら解決してるしな、うんそうだ!迷惑なんかじゃないから、な!」
元はエレナが居候していて、そのエレナが呼び出しを喰らい、代わりに真白が居候する不思議な状況ではあるものの、かつて黒斗の家にはエレナだけではなくルディも居候していた。
エレナが戻ってくるまでは真白と二人で過ごすわけだが、エレナと二人でも特に問題はなかったのだから、大丈夫だろう、と簡単に一人で納得する。
そこで、黒斗は一つの疑問が浮かんだ。
(あれ?待てよ…。エレナが呼び出しを喰らうのはいい、いいんだけど…、戻ってくるまでって……。こいつ、いつまで居候してるつもりだ?)
ちらっとエレナの方を見てみると、彼女は黒斗のことを見つめていた。
綺麗な正座で床に座り、首だけを動かして黒斗の方を眺めつつ、視線がぶつかり合うと小首を傾げ、きょとんと眼を地味に見開く。
その変化は微々たるもので、伊集院や真白が気づくことはない。
ただ、黒斗だけは、エレナの表情の変化を察知することができ、彼は不覚にも…本当に不覚にも思ってしまう。
(こ…の、可愛いぜちくせう!)
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