異能の力と魔導書籍

決戦のための散会

　
神力帝式との戦いを終えた大神黒斗は、直後に自らの父が死したことを知る。

あまりにも唐突で、あまりにも残酷な現実を前に、大神黒斗は一度状況の整理を行うため、自宅へ引き返すのだった。

エレナ、伊集院、フレイド、ジキル、ブルック、ルシフェル、リオの七人に加え、謎の男の攻撃から命からがら逃げてきたシーナと白い少女。

黒斗を含めて全員で一○人となるわけだが、黒斗の家はその全員を招いて余りあるほど広くはない。

すし詰め状態とまではいかずとも、 かなり狭く暑苦しい空間となっていた。

「つまり…、父さんはあの変な恰好した男に殺されたわけか…」

変な恰好した男とは、つい先ほどシーナたちを強襲していた男のことだ。
異常に強大なマナを有し、不気味ながらも神々しさを兼ね備えていた謎の男。

「すまないねぇ。あたしは…なにもできなかった」

「わたしも、はかせをたすけられませんでした。まさか、あなたが、はかせのむすこさんだとは、しらなくて」

どんな言葉を投げ掛けられたところで、死した父親は帰ってこない。