「あ…、よかったら、私送りますよ」

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「あ…、よかったら、私送りますよ」

高橋さんが、ぱっちりした目を湯井さんに向けた。 「マジで?じゃあ、乗せてってくれる?」 行きは頑なに歩いていくと行っていた割に、あっさりとそう言ったそうだ。高橋さんの家まで、指示されるまま車を運転し、いっぱい話をしているうちに、すぐ着いてしまった。時間も時間で往来の少ない道だったので、家の前の路肩に停めて更にお喋りを続けた。飲み物を買いにコンビニに行ったりはしたものの、ずっと喋り続け、そうして、もう空が白み始めていたそうだ。  そして湯井さんは、高橋さんに言われた。 「俺のこと好きでしょ?」 好きで、相手のことを知りたくて、時間を忘れて喋って、夢のようで、別れるのが惜しい。確かに、気持ちがバレバレの行動だ。けれど、そんなことを単刀直入に聞いてくる高橋さんも凄い。湯井さんは突然の指摘を否定することができなかった。当然だ。当たっているから。
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