「それで、高橋さんはなんて?」

1/1
前へ
/24ページ
次へ

「それで、高橋さんはなんて?」

 あまりに予想外。そして猛スピードな展開。私は、ただ事実を追うことしか考えられなかった。 「突然で、すぐに答えは出せないって」 「そ、そっかあ……」 ほっとしたような、残念なような、とりあえず、やっと脳を休めることができた。一方湯井さんは、呆気なく告白が終わり、結果待ちの状態が心元ないようだ。もしかしたら、失恋した気分なのかもしれない。高橋さんの奇襲により、彼が何を考えているのか、プロファイルが難しくなったこともあるだろう。 「でも、いい加減な人じゃないってことだと思うよ」 私は、どこか冷静な頭でそう言った。 「湯井さんは可愛いから、軽い男だったらその場で何かあってもおかしくないじゃん。朝方まで2人きりでいて何もしないなんて、湯井さんのことちゃんと考えてくれてるってことじゃないかなぁ」 「そうかなぁ」 湯井さんはまだ不安そうにしていたけれど、きっと心配することはないと思った。
/24ページ

最初のコメントを投稿しよう!

4人が本棚に入れています
本棚に追加