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私の小さな不安をよそに、料理、ドリンクが揃い、気の合う人たちで集まった忘年会はいい具合に盛り上がっていった。私もお酒を飲んで、少し心が軽くなっていたかもしれない。
「次、何飲む?」
グラスの空いた私に、高橋さんが聞いてくれた。
私は、すでに酔っていたのかな。
まだ酒をよく知らない私は、2人でメニューを見た。
「にごりマンゴー梅酒だって」
なんだか気になる不思議な名前だったので、それを頼んでみることにした。
「どんなのですかね。私がダメだったら飲んでくれます?」
大学のサークルの新入生歓迎会で回し飲みをしたことがあったので、特に意識せずにそう言った。
「うん。いいよ」
回し飲みくらい、普通。
理由を作っただけだったのかな。
にごりマンゴー梅酒がやってくると、まず私が飲み、
「びわみたいな味がします」
と言って高橋さんに渡した。
間接キスだったか?私が飲んだのと同じところに唇をつけたかどうかなんて、見なかった。
その後にごりマンゴー梅酒は酔っ払った仲山さんに渡り、私のところへ戻ってきた。今思うと、湯井さんへのフォローだったのかもしれない。
あくまで個人的には、高橋さんとも話したし、他のメンバーとも仲良く触れ合えたので楽しい会だった。予定より会は長引き、悪酔いした1人が先に帰った。予定時間過ぎに姉が迎えに来たので、私も幹事にお金を渡して上がった。
先に帰るのは惜しいけれど、これ以上、邪魔しちゃいけない。
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