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「弘隆は優しい子だなぁ」
悟政は軽く微笑む。
『父上…いつなったら
身分が関係ない世の中に
やるでしょうか？』
悟政は悩む。
「う～ん…わしには
分からんが、
ペリーが来航してから
江戸城の老中たちが
頭を悩ませているじゃ」
『そうなんですか』
その時、弘隆の姉：凛が
弘隆たちが居る部屋に
入って来た。
「弘隆!?大変よ!!」
『姉上、どうしたのですか？』
「お静ちゃんが何者かに
さらわれたそうよ!!」
弘隆は驚いて立ち上がる。
『何ですって!?』
「お静ちゃんに家に…」
凛は弘隆に文を渡す。
弘隆は文を読む。
川崎 弘隆殿へ
おぬしの幼なじみ、
お静は我々が預かった。
返して欲しければ
山内神社に行こう。
おぬしが来なかったら
お静は殺す。
弘隆は文を捨て、
古寺に向かう。
その頃、 お静は手を結ばれて
古寺の中に入れられた。
古寺の周りには
お静をいつもイジメている
男たちが取り囲んでいた。
「本当に弘隆は来るのか？」
「行く…あやつは
この女子に
惚れているだから」
＜弘隆が危ない…!!＞
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