第壱症

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最近は小さい頃の夢ばかりを見てしまう。毎日毎日同じ夢。居るのは呆然と立ち尽くす自分と、笑みを浮かべたあの人だけ。あるのは肉の塊で、濁った瞳をこちらに向けて転がっていた。 朔織はゆっくりベッドから起き上がる。シーツは汗で湿っているし、着ていたワンピース型のパジャマが肌に張り付いてキモチワルイ。 「うえー。ベトベトする~」 くっついてくるパジャマを脱ぎ捨ててシャワーを浴びると、充電器と繋がった携帯を手にとり画面を確認する。新着メール一件の表示。 「ん?」 長い髪を拭いていた手を止め、両方を使って携帯をいじる。映し出された名前は 零崎柚識 。 「まーた、飢え死にしそう。とかかな~」 確認してみると、こう綴られていた。
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