第壱症

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絵文字や記号をたっぷりと使ったメールだった。朔織は携帯を握りしめ、近所迷惑になるほどの声で叫んだ。 「ちょっと待てー!!意味が分からない…。何で怒った軋識兄が僕の家に来るのさ!?」 誤解を招くといけないので説明しよう、この家の家賃は軋識が払っている。決して朔織の家ではない。 オロオロとする朔織を止めるように、ドアの開く音が聞こえた。 「朔織…。怒ってないから、いくら使ったかはっきり言うっちゃ…」 声を震わせながら言われても 説得力がないですよ。 「えっ…五十くらい、だったかな~」 冷や汗を流し目線をそらす。 「なら、今は何日だっちゃ?」 「んっとー、九日」 軋識は 無言で握りしめた拳を朔織のこめかみに当て、グリグリと動かす。すごく痛そうだ。
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