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■□-蜘蛛糸の一線
嫌いよ
あなたのこと大嫌いなんだから
自惚れないでよね
恥ずかしいから言わないで
って何度も頼むのに
さらりとクサいこと言う
そんなあなたが嫌いよ
可愛いとか、お前だけだとか言って
お世辞ってわかっていても
ストレートな言葉に
不覚にも照れちゃうんだからあたし
どうしてくれるのよばか
傷ついた時
あなたの言うお決まりな言葉に
何度救われたことか
人の弱みに付け込みやがって
そんなあなたが嫌いよ
優しいなんて言ってあげない
落とそうとしてるのバレバレなんだもの
なのに癒されてるあたしがいるの
どうしてくれるのよばか
女がいるくせに
思わせぶりな言動ばっかして
なんて軽い人なのかしらね
そんなあなたが大嫌いよ
でも好きって言われるたび
とくん て音がするの
もっと言ってほしくなっちゃうの
どうしてくれるのよばか
ﾞ嫌いﾞ
これはね、魔法の呪文。
本心の裏側 トップシークレット
最後に引いた一線
越えちゃいけない一線
ねえ、そっちに来てほしい??
ほんとにそう思うなら証拠をみせて
それがなきゃ
キザで女たらしなあなたを
あたしは信じきれないの
なんてね
面倒臭い女でしょあたし?
知ってるわ 自覚してる
幻滅したかしら??
まあそれもいいわね
そうしてまた一線が太くなる
できることなら
指でこすって消し去りたい
砂を蹴って隠してやりたい
だからね、これは最後のわがまま
本心なんて言ってやらない
嫌いとも言ってやらない
あたしが面倒臭い女ってことも
教えてあげない
ただ、蜘蛛の糸のように
頼りなく細い 一線だけを
引いてあげる――……
切るも太くするも、
全部あなた次第なのよ?
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