売命

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再び泳ぎ始めてから数分後、生徒達に異常が起きた。 全員がジタバタと暴れだしたのだ。 全員が助けを求め、叫びだしたのだ。 「ど、どうしたんだお前達!!」 教師が慌てて飛び込み、助けようとした。 だが、飛び込んだ瞬間に手足を何者かに掴まれた。 掴んだのは、あの「死者」達だった。 10分程で、辺りに静寂が訪れた。 プールには横山を除いた生徒と教師が、冷たくなって浮かんでいた。 横山は、プールに浮かぶ縦川を見下ろしながら言った。 「取引の内容をまだ教えてなかったね。『お前らに多くの人間を引き込ませる代わりに、俺を助けてくれ』……だ。俺のために犠牲になってくれて、ありがとな!」 横山は立ち去ろうとした。 ガシッ だが、何者かに足を掴まれた。 足下を見ると、既に『死者』となった縦川が足を掴んでいた。 プールを見ると、『死者』となった生徒と教師が自分に向かってきているのに気が付いた。 2度目の取引は失敗に終わった。
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