人違い

2/4
前へ
/97ページ
次へ
夢に知らない女の子が出てきた。 年は、自分よりも少し下かな。 「お兄ちゃん」 僕に向かって、確かにその子がそう言ったから、多分年下なんだろう。 でも、僕にはその子の見覚えなんて無い。 母にも、僕が産まれてからの死産や流産の経験は無い。 「君は誰?」 僕はそう尋ねた。 「どうして―」 その子が答えてる最中に、僕は夢から覚めてしまった。 「お前が妹を欲しがるからそんな夢を見るんだよ」 「欲求不満だからだろ」 友達に相談なんかするんじゃなかった。 わけの分からない返答しか来なかった。 大体、僕は妹なんか欲しくない。 結局、学校で僕がマシな情報を得ることは出来なかった。
/97ページ

最初のコメントを投稿しよう!

108人が本棚に入れています
本棚に追加