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あるところに公園があった。
そこには、毎日のように5、6人の子供が遊びに来ていた。
彼らは1人の子供を集団で長期間いじめ、自殺に追い込んだ者達だった。
その日も、彼らは日が暮れるまで遊んでいた。
さすがの彼らも、門限を破るわけにはいかない。
1人の子供を除いて、全員が帰路についた。
その子供は彼らのリーダー、ガキ大将であった。
もちろん、いじめを始めたのも彼だ。
彼の門限は、他の子供達とズレていた。
辺りが暗くなっても、少し門限までには余裕があった。
「まだ遊び足りねぇや……」
彼が1人でコーヒーカップ型の遊具に座っていると、後ろから声がした。
「それ、回してあげるよ」
声の主を見ると、どこかで見たような顔の子供が居た。
だが、彼は気付かない。
それが、自身が自殺に追い込んだ子供だということに。
いじめる側は、いじめた相手のことなど絶対に覚えないのだ。
だが、相手からすれば永遠に忘れることのない出来事だ。
「誰だお前?まあ、退屈だから回してくれよ」
「いいよ。しっかり掴まっててね?」
ゆっくりと、遊具が回り始めた。
だが、そのスピードも始めの内、どんどんスピードは上がっていく。
「回し過ぎだって……。と、止めてくれよ……、息がしにくいんだ……」
返事はない。
「止めろって言ってるだろ!息が……苦しいんだよ……」
「君は止めてくれなかったよね」
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