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*♪*
「母さん…??」
娘の小さな声に小夜はふっと目を覚ました。
「あぁ美鈴、おはよう
あ、それ…皐月学園の制服ね??
良く似合ってる。」
「へへ…
ありがとう」
美鈴は照れるように笑う。
「ごめんね
なんにもしてあげられなくて
あなたにも淳史にも迷惑かけてばっかり」
夫が死んでから、自分が頑張らなくてはいけなかったはずなのに…
小夜はいつもそれを後悔していた。美鈴や淳史が幼くして自立し、大人びてしまったのもそのせい。
「全然そんなことないから…
あ、そろそろ行かなきゃ!!
今日はお兄ちゃんお仕事お休みだから、なんかあったらお兄ちゃん呼んでね」
子供らしくない笑顔を浮かべて部屋を急ぎ足で出ていく娘を彼女は寂しそうに見つめた。
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