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準備を終え、颯爽と愛車に乗り込んだ。 愛車の名は「白王」 白のおんぼろ軽自動車だ。 キュルキュルキュルキュルキュルキュルキュル… キュルキュルキュルキュルキュルキュルキュルキュル… キュルキュルブオン! 白王も駄目男と同じで 起きるのが遅かった。 キュルキュルキュルキュルキュル! 今のキュルキュルはファンベルトの音だ。 彼女の家に着いた、駄目男。 ピンポーン。 ピンポーン、ピンポーン。 出ない。留守のようだ。 パリィィン!!! 彼女のアパートの窓ガラスを割った音だった。 そのまま侵入して、物色。 くず以外の何者でもない。 死ねばいいのに。 「1万円あったなりよ♪神様って本当にいるなりね♪」 そんな神様はいない。 神様への侮辱罪で懲役に行ってもらいたいくらいだ。
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