気付いてたのかもしれない

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キーンコーンカーンコーン…… 授業終了の鐘がなる 「それじゃ、次の授業の時までに提出するように」 ザワザワ…‥ 僕の最後の声が聞こえたのかわからないほど教室はチャイムを合図に騒がしくなる 授業が終わったとわかると、帰る支度をする生徒達 「石田先生!!さっきの所なんですけど…」 「ん?」 最近は授業後にも関わらず質問してくる生徒の対応に追われる 「(昔は質問される前に早よ逃げるようにして職員室に駆け込んでたなー)」 小さいころから人付き合いが苦手な僕は正直教師なんて勤まるもんかと思っていたが 流石に3年も教師を勤めていれば、自然と馴染むもんで 「(人見知りもやればできるもんやな)」 今ではすっかり『真面目で面白いが神経質な先生』として生徒達に慕われている 思ったより教室にいる時間が長くなってしまった 慌てて職員室に戻ってみると、楽しそうに僕の机の前で会話を弾ませる2人が目に入った 西野と井上や… 何話てるんや…僕の机の前で… .
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