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「ほぉー…なんやてっきり石田は井上の事好きなんやと思っとったわ」
「!?なんでそうなんねん…」
いきなり何を言い出すかと思えば…
僕が井上のことを?そんなんありえへんって
「あれっ?違うんか……?」
はっきりとした僕の物言いに西野は驚く
「…やって、井上は男やで…?男相手に好きとか…」
「男やから何なん…?」
さっきまでの笑みは消え、いきなり真剣な眼差しでこっちを見る
「え…?いや…」
あまりにも真剣な眼差しに僕は目を離せなくなる
「人を好きになるんに男も女も関係ないやろ…ただ好きになった人がたまたま男なだけで……」
西野はそこまで言い終えると俯き、窓の外に視線を移す
まさか…
「西野…!もしかしてお前…井上のことが」
「あーそれは大丈夫や!俺、ちゃんと好きな奴居るから(ニコッ)もちろん井上やないで?」
さっきの雰囲気なんか忘れたようにあっけらかんと応える西野に内心ほっとした
「(井上やないんや…よかっ…!?)」
今僕なんて言おうと!?
井上じゃないということがわかって喜んでいる自分に驚きを隠せないでいると
「あっ!でもあいつ結構学校じゃあ人気あるから、気をつけんと取られるで?(ガチャ)それじゃぁ!」
「えっ?西野それはどういう…ってえぇ?」
タクシーは知らない内に止まっており
西野は運転手に「釣りはいらないよ」と景気よく支払いを済ましてしまっていた
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