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…なんやろ…‥
井上の唇から目が離せない…
知らず知らずのうちに、手は井上の顎を捕らえていた
まるでその唇の虜になってしまったように
その唇に吸い込まれるように顔を近づける…
「…ン///」
「!?」
井上が身を捩らせると同時に触れていた手をすぐに引っ込めた
「(ちょっ!?俺は今、一体何をしようと…‥?)」
…確か、井上の頬に触れていたらなんか急に……
井上にキスがしたくなった…
「(僕!?いのーえさんとキスがしたいんか!?)」
そう思ってしまえば自然と顔に熱が集まってくるのがわかった
「(ありえへんって!!)」
男相手に欲情したとでもいうのか?それとも僕がただおかしいだけなのか?
どちらにせよキスをしようとしたのは事実
でも何故だろう…全然嫌に感じない
友達だから?親友だから?…幼なじみだから?
…でもどれもしっくりくる回答になっていない…
「(あーもう!!なんやねん!?)」
1人頭を抱え、プチパニックを起こしていたら
「お客さん、目的地に着きましたよ」
「えっ?…あっすみません、いくらですか?」
いつの間にかタクシーは井上のマンションの前で止まっていた
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