気付いてたのかもしれない

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はぁー……‥ あの後どうやって自分の家まで帰ったのかわからない… いつの間にか井上の部屋から飛び出し、いつの間にか僕の家の前に着いていた そのままの姿でベッドへと倒れこむ シャワー浴びないとなぁ スーツもハンガーに掛けないと皺になるなぁ… そんなことを思っていたが、全てある思考により掻き消されていた “井上は西野のことが好き” 今はそのことで頭がいっぱいで… 何にも手につかない 好きとは言うてへんけど…今日のあの井上を見れば誰でもわかる 西野にあんなことされても文句一つあいつは言わなかった それに… 僕のこと…“西野”って… 無意識の中で西野の名前を呼んだってことはそういうことやんな? 幼なじみで親友で、井上のことは誰よりも理解しているなんて自惚れていた 理解していなかった…何も知らなかった… きっと井上は明日になれば今日のことを覚えていないだろう… 眠くなるまで酔うとあいつは寝た以降の記憶がいつもない ずるいなー井上は… 僕は忘れたくても忘れられへんのに… てかなんで僕がこないに落ち込まなあかんの…? 別に井上さんが誰を好きでもかまへんやないの? …そうやで 僕は親友として井上を応援せなあかん立場やんか… ただ僕は井上から何もそういう相談をしてもらえなかった 教えてくれなかった 頼って欲しかったからショックを受けてるだけなんや… やから早く …この涙…止まってくれへんかな? next.アトガキ .
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