気付いてたのかもしれない

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「おっ石田や!」 僕の机の上に乗りながら井上は僕の名前を呼ぶ 井上とは幼なじみで、かれこれ何十年もの付き合い てかいつまで乗っているつもりやねんあいつ 「やっと帰ってきよったわ…遅いんじゃぼけ」 今僕に対して暴言を吐いたこいつは西野 西野とは高校からの付き合いでむっちゃ仲のええ親友 こいつらとはホンマ気が合うというか、一緒に居ても苦になることなんか一度もなかった ずっと一緒にいられたらなって思える僕の親友 やからって勤め先も一緒になるとは思っていなかったけど 「お前んとこのクラスの子らに質問攻めに会ってて遅れたんやけど?」 嫌味ったらしくそう言えば西野は何の悪びれもなく 「あー…俺のクラス優秀な奴ばっかやからな」 とだけ言い頭を掻いた 結局自慢したいだけかととりあえず「はいはい」と軽くあしらう 「…それより井上さんはいつまで僕の机を占領するつもりなんですか?」 そう問えば井上ははっと気づき、ごめんと俺の机からピョンと飛び降りる 「つい話が盛り上がってもーて」 「盛り上がるのはええけどな…うん…壊れてへんな」 「何の確認やねん!」 自分の机に手をやりキズ、ひび割れ等がないか確認をすれば「失礼や!」と井上がぶすくれる .
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