気付いてたのかもしれない

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「石田?」 「え?」 ふいに井上から声をかけられ、意識が戻される 「どないしてん?」 「いや…考え事してただけやで」 そう告げても尚心配そうに見つめてくる瞳に「心配せんでも参加するから」と言えば、その瞳はすぐに細められ安穏な顔へと形を変えていった やって二人が僕の為に考えてくれたんやから、断るわけないやないか 「よかった…断られるんかと思うた」 やっぱそのことでさっきは心配してたんやな 無駄に気ぃつかい過ぎる井上らしいわと思いながら横で喜んでいる井上をみつめていると、その間に西野はまとめていた荷物を手に取った 「なら早よ行くで」 そそくさと帰る西野に俺らも慌てて後を追った ****** どこに飲みに行くか迷った挙げ句、結局行きつけのお店で飲むことにした 「大丈夫やって、井上ならともかく石田やったらまたいい人に巡り会えるて」 「おい西野!一言余計や!」 「そうやで西野、いのーえさんは中の下でイキリストで胴長短足なだけや」 「お前は全部余計や!!」 久しぶりの飲み会で話が弾み、普段酒をあまり飲まない井上も今日は酒が進んでいた .
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