プロローグ。

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小此木教諭は、自分の責任問題にも発展しかねなかったこの騒動を受けて、ストレスによる十円玉ハゲが進行するのではないかと嘆いていた。 …嘆くのはそこでは無い気がするのだが。 …それはともかく。 この数日間で、彼の十円玉ハゲが五百円玉ハゲくらいに進行したとしたら、それは間違いなく春宮律が原因であると結論付けられるだろう。 しかも今日は、例の問題児が学校に復帰する日なのだ。 教員二人の一週間平穏は、あっという間に崩れ去った。 また今日から、彼の行動に悩まされるのかと気が重くなる、というのが彼らの本音だろう。 彼等の溜息が、何処からか聞こえてきそうだった。 そんな教師二人の心境なんていざ知らず、あくる日の朝、18歳にして身長158cmの『ショタ少年』、春宮律は嬉々として星晴高校までの道程を行くのだった。
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