謹慎明けの日、阿呆の日常は濃い。

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春も麗らな4月下旬。 ほんの数週間前に、私たちは高校三年生になった。 桜の花は散り、青々とした葉が茂り始めた今日この頃。 学校の桜並木はアメリカシロヒトリの恐怖に晒され、殺虫剤の異臭と地面に落下する白い生命体は最早春の風物詩。 何故日本の学校の大半は、この蛾の幼虫が大量に湧き出て来る様な植物を敷地内に植えるのか。 桜の花が美しいのは解るが、学校で悠長に花見をしている暇なんか無いだろうに…。 殺虫剤の分だけで、かなりの経費が無駄になっている気がするのだが。 …そんなこんなで春は巡り、受験生というレッテルを貼られた私たちであったが、部活動や生徒会の中核を握るのは、まだまだ三年生だった。 後輩達にはまだまだ負けてられないからね。
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