プロローグ。

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意図せずにヘドロ塗れになれば、誰だって嫌悪感に包まれるだろう。 だが彼の場合、ヘドロ塗れによる嫌悪感よりも、"実験"が成功した喜びの方が先行していた。 自身がヘドロ塗れであると気づいたのは、慌てて駆け付けた先生に指摘されてからだったというから驚きだ。 そんな彼は、教員からも異質な生徒とみなされており、一応彼には一週間の謹慎処分を与えたが、あまり効果は無いだろうと踏んでいる。 一週間、教員たちは彼の行動に悩まされない、という利点だけは生まれたみたいだが。 それよりも問題になってしまったのは、化学教諭の薬品庫の管理実態であった。
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