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薬品庫の管理を担当していた化学の小此木教諭は、科学部の顧問でもある。
小此木教諭は、科学部の部員に薬品庫の合鍵を一つ貸していた。
科学部の活動の中には、当然、化学的要素を含んだ実験も含まれる。
科学部の活動日時は放課後。
小此木教諭は、自身が不在の時でもある程度は実験が行える様に、彼らに合鍵を貸していたのだ。
勿論、教員の監督が無いと扱えない薬品を勝手に使用をすることは禁じていたし、進学校である星晴高校の生徒が、みだりに目的外の薬品を持ち出すとは考えていなかったのだろう。
つまり、小此木教諭は、科学部部員を信頼して彼らに合鍵を渡していたということなのだが、その信頼は見事に裏切られたという訳だ。
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