プロローグ。

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とは言え、その信頼を見事に裏切った本人は、その自覚が全くと言って良い程、無い。 何せ、プールにカリウムを投げ入れたのはあくまで"実験"であり、部活動の一環であるというからだ。 しかし、この常識はずれの発言をした張本人は、これでも三年生の中ではトップクラスの成績を誇る。 理科分野の成績に至っては、九十点以下を取ったことの無い、万年一位の天才なのだ。 すなわち、そんな成績優良児がカリウムの性質を理解していない筈も無く、教職員たちは、春宮律が本気で実験のつもりでカリウムを投げ入れたと考えるしか無いのだった。
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